この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
belle lumiere 〜真珠浪漫物語 番外編〜
第5章 聖夜の恋人
「…失礼いたします。綾香様、梨央様、光様、…縣様がお見えになりました」
月城が声をかけ、扉を開ける。
冬の清潔な光が満ち溢れる居間のテーブルで、談笑しながらお茶を楽しんでいたであろう三人が振り返る。
縣は吸い寄せられるように光を見た。

光はベルベットの濃い菫色のドレスを着て、髪を優美に結い上げていた。
光の大きな瞳が驚きに見開かれる。
縣もまた光を見つめる。
二人は語る言葉を持たなかった。
ただ、見つめ合うことしかできなかった。

梨央は二人の緊迫した様子に気付かず、無邪気に立ち上がり縣の元に歩み寄る。
「縣様!いつパリからお帰りになったのですか?」
「…たった今です…」
そして、光をじっと見つめ、
「どうしても光さんにお会いしたくて…突然お伺いしたご無礼をお許しください」
光に語りかける。
光は耐えきれないように目を逸らした。

いつにない縣の様子にやや戸惑う梨央をよそに、綾香はすぐに二人の様子から様々なことを察知したようだ。
さりげなく月城に指示をした。
「月城、縣様は光さんに折り入ってお話があるようだわ。…小客間にご案内してさしあげたらいかがかしら」
「かしこまりました。…縣様、光様、どうぞこちらへ」
「ありがとう、月城。…綾香さん、梨央さん、失礼いたします」
礼儀正しく挨拶をする縣の後に、覚悟を決めたように光が続く。

二人が去ったあと、梨央が不思議そうな顔をしながら綾香に尋ねる。
「…お姉様、縣様と光お姉様…なにかあったのかしら?…パリでお会いしたとは仰っていたけれど…」
綾香は意味あり気に謎めいた笑みを浮かべる。
「…そうね…パリは魔法の街のようね。縣様と光さん…とても興味深い組み合わせだわ」
そしてまだ訳が分からない為、重ねて尋ねようとする梨央の肩を抱き寄せ、優しくくちづけをしたのだった。
/133ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ