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友達のままがいい
第5章 未来…
それに気付いた瞬間、何も考えることもなく彼を追おうとした。
携帯も鍵さえ持たずに玄関の扉を開ける


――ッゴン


「えっ??」

開けた扉は何かにぶつかり開かない。
そっと隙間から覗いてみると、頭を押さえて座り込んでいる彼がいる。
呆気にとられてかける言葉もない。

「いきなり…開けるなよ…」

最初に口を開いたのは彼の方だった。

「あっ…ごめん…まさか、ここにいるなんて思わなくて…」

「悪かったな…。で?…こんな夜中にどこに行こうとしてんだよ?あの男のところか・・・?」

「えっ…男…?何?…」

「・・・違うのか・・・」

少しほっとした表情を浮かべる。

「うん・・・?則孝こそ…帰ったと思ってた…」

「あっ…うん…」

則孝が言葉を濁らせる。
気まずい沈黙
男のところというのが気になるが・・・寒そうな彼が気になった。

「…そこ…寒いから、入ったら??」

そう告げ、少し待っても立ち上がる気配がない。
私は黙ってドアから手を離し中に入る。
それでも、入ってこない。
そのまま帰ったかもしれない…まだそこにいるかもしれない。
一つの賭けだった。
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