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友達のままがいい
第2章 現在…
あの時に私は決めた。
恋人になるといつかは終わりが来る。
それならば友達がいいと。
触れることはできないけど、弱ったときに側にいつでもいられる友達がいいと。
……
そう願ったけど、やっぱり触れられない関係はつらくなる。
こんなに近くにいるのに触れられないことがこんなにつらいとはあの時は考えもしなかった。
だからと言って、友達関係を壊してまで自分の気持ちを伝えたいとは思えなかった。
いや、彼を失うのが怖くて言えないのが正解なのかもしれない。

「お前さぁ。死ぬまで俺の味方でいろよ」

いつの間にかビールから日本酒に変ってる則孝が少しトロンとした眼でつぶやく。
お酒が強くない彼が日本酒に手を出したということは、落ちるまでそう長くはない。
こうなる事はわかりきっていることだけど、早すぎる…
もう苦笑するしかない。

「死ぬまで俺の味方でいろよ」

繰り返し同じ言葉を告げてくる。
これは彼が酔っ払ったときに必ず私に聞いてくる言葉。
覚えてるのか覚えていないのか定かではない。
だけど、毎回同じ事を聞いてくる。
だから私も同じ言葉を返す。

「はいはい。ずっと味方だよ。その為の友達でしょ?」

則孝の前髪を掻き揚げながらやさしく告げる。
その答えに安心したのかにっこり微笑み

「ああ。だからお前は友達がいい。友達がいいんだ」


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