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それを、口にすれば
第17章 それを、口にすれば
「理沙子、あんなものを送り付けて……俺が黙っていると思ったのか? 優雨を見捨て、仕事を……君を取ると?」
「……」
理沙子はショーの始まる前、良介が仕込んだ睡眠薬によって眠らされた優雨の姿からその後のショーの様子まで……何度も結城に画像を送っていた。
結城がどう動くのか……。
理沙子は、心のどこかで賭けるような、願う様な気持ちだったのかもしれない。
しかし、結城は一枚目の画像を見た瞬間からもう優雨のもとに向かって動き始めていたのだ。
それでも護り切れなかった恋人を、結城は改めて抱き締めながら続けた。
「それから、君とはもうやっていけないことも……お義父さんにはっきり伝えて来た」
「私とやっていけないなんて……そんなの……お父様が許すはずないわ……!!」
理沙子の声が震えていた。
結城の結婚が、理沙子の父と結城の間で始まった話であり、仕事が密接に絡んでいるということは優雨も知っている。
理由はそれだけではないが、それもあって結城と理沙子が別れるなどということはこれっぽっちも考えたことがなかったのだ。
これから結城がどうなってしまうのか……。
顔を見上げ、シャツの胸もとを不安そうな表情でギュッと掴んでくる優雨に、結城は優しく笑いかけた。
「なあに、仕事なんていつでも取り返せるさ。何度でも立ち上がる……そうやって今までやって来たんだ。でも、優雨は……」
かけがえのないその名前を大切そうに口にし、結城は苦し気に顔を歪める。
「結城さん……」
様々な感情が溢れ出し、二人は再び強く抱き合った。
「……」
理沙子はショーの始まる前、良介が仕込んだ睡眠薬によって眠らされた優雨の姿からその後のショーの様子まで……何度も結城に画像を送っていた。
結城がどう動くのか……。
理沙子は、心のどこかで賭けるような、願う様な気持ちだったのかもしれない。
しかし、結城は一枚目の画像を見た瞬間からもう優雨のもとに向かって動き始めていたのだ。
それでも護り切れなかった恋人を、結城は改めて抱き締めながら続けた。
「それから、君とはもうやっていけないことも……お義父さんにはっきり伝えて来た」
「私とやっていけないなんて……そんなの……お父様が許すはずないわ……!!」
理沙子の声が震えていた。
結城の結婚が、理沙子の父と結城の間で始まった話であり、仕事が密接に絡んでいるということは優雨も知っている。
理由はそれだけではないが、それもあって結城と理沙子が別れるなどということはこれっぽっちも考えたことがなかったのだ。
これから結城がどうなってしまうのか……。
顔を見上げ、シャツの胸もとを不安そうな表情でギュッと掴んでくる優雨に、結城は優しく笑いかけた。
「なあに、仕事なんていつでも取り返せるさ。何度でも立ち上がる……そうやって今までやって来たんだ。でも、優雨は……」
かけがえのないその名前を大切そうに口にし、結城は苦し気に顔を歪める。
「結城さん……」
様々な感情が溢れ出し、二人は再び強く抱き合った。