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夜伽月 よとぎづき 
第6章 蜜蝋
「あの女…あたいは気に入らないよぉ…早く殺っちまおうよ」

野風は、鬼鎧の上で艶めかしく腰を動かしていた。

「鬼鎧様と繋がっている時が、1番幸せなんだよぉ」

鬼鎧は、野風と軛を侍らせ、交わるのが日課だった。瀕死の状態だったのに、性欲には関係無いらしい。軛が吸う阿片の匂いが周囲に漂い始めると、傷の痛みも和らいでいく。

先程から心ここにあらずの鬼鎧に野風は一抹の不安を抱えていた。何度も抱かれて来たが、今まではこんな事が一度も無かったからだ

「あたいは、鬼鎧様の全てを吸い尽くしたいんだよ」

鬼鎧の男根は野風の中にみっちりと嵌り、蜜で潤えば潤う程感度が増した。時折、野風の細い腰を持ち、不意に深く突き上げる。

「ああ…ん」

その度に興奮で赤らんだ胸を外らせ嬌声をあげる。

「ねぇ。あいつを早く殺っちまおうよぉ。鬼鎧様が出来ないなら、あたいがやっても良いよ」

「ふむ...。」

野風は気性が激しいが情に厚く、考えている事がすぐにわかる。それに比べて軛は春の陽だまりの様に大らかだが、正体が掴めない不思議さが魅力的だった。対照的なふたりを侍らせる事で、それぞれの力が拮抗し、うまくバランスが取れていた。

「人魚の返り血を浴びると、肌が若返るって言うよ?」

「今まで俺は信じちゃ居なかったが、あいつは本物かもしれん」

それは野風に話していると言うよりも、思考を整理するための独り言の様なものだった。

「もしかして…気が変わったのかい?」

野風は、洞窟の中の男たちはいつも自分に夢中なのも知っている。鬼鎧との行為を覗き見する輩も大勢いた。鬼鎧に拾われる前もそうだった。虜にされた男たちは野風の言うなりだった。

女を武器に金持ちや強い男に守って貰う。それが自分の生き方だった。そして初めて本当に心から愛した男が鬼鎧だった。


野風は肉体で繋がり愛され続けても、鬼鎧の心変わりを恐れていて、その不安はいつも影の様に付き纏っていた。



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