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夜伽月 よとぎづき 
第6章 蜜蝋
「そうだな…気が…変わった」

鬼鎧はにやりと笑った。

「一体…ど…どう変わったって言うのさ…」

野風は聞かずにはいられなかった。

「俺のものにする。人魚との交わりはどんなものか…味を見てやろうじゃねーか」

鬼鎧は、野風の下でゆっくりと腰を動かし始め、いやらしい笑みを浮かべた。

…あたいの中に居ながら他の女のことを考えている。

野風は強い怒りと悲しみを感じた。

激しい嫉妬。

その様な経験をしたことが無いので野風は、それが嫉妬だとは気が付かなかった。

「あの白い肌は、どのような味がするのか…」

鬼鎧は野風を見つめていたが、自分では無く月のことを想像しながら行為をしていることに屈辱を感じた。そのくせ、鬼鎧の律動はますます激しく強く野風を揺さぶった。

「あ…あん…鬼鎧様ぁ…」

…いかされる…心では嫌なのに…身体が…。

軛はこんな時でも、自分の中から流れ出る愛液が敏感に反応してしまう身体が、憎らしく思えた。

「俺は…夜伽を犯す…犯すぞぉぉ」

自分の感情とは裏腹に、膣はひくひくと鬼鎧を締め付けた。

「ああん…あ…嫌ぁ…あたいだけを…見てぇ」

野風の甘い声は洞窟内に響いた。

それでいて、今までに感じたことが無い、どくどくとした燃え上がるような陶酔感に襲われ始めた。

「あん…鬼鎧様ぁ…気持が…良いよぉ…あたい…溶けちまう…」

酷く荒々しく、そして深く野風を刺し貫くたびに、鬼鎧は、硬く膨張しはじめた。


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