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夜伽月 よとぎづき 
第8章 鬼灯
小さな小屋の中はきちんと整頓されていると言うよりは、物が置いていない。小さな仏壇と、囲炉裏、大きな竹で編んだ蓋つきの籠ひとつ。

かんざし婆はさっさと上がり框の端に腰かけた。

「お前が月を見つけた時の事を詳しく話してくれ」

喜平は土間の土の上に棒でさらさらと絵を描き始めた。それはダイバースーツの月の姿だった。背中にボンベも付けている。

「やっぱり!吸い込まれた時のままだわ」

月は思わず声が出てしまった。もしかしたら、カメラも一緒にあったかも知れない。そうすれば、本当に自分が未来から来たと言うことを信じて貰えるかもと思った。

「その他にポケットパンツ…じゃ無かった…。これはありませんでしたか?」

月は喜平の絵に付け足すように書いた。それは、スーツの横に付けられるポケットだった。その中に細々としたものを入れていて、カメラやライトなどを入れられるようになっていた。

「なんだこりゃ?」

かんざし婆が絵を覗き込んで笑った。

「これじゃ何だか分らんね。絵心ってもんがまるで無し」

…酷い。

「これがあれば、私がどこから来たのか信じて貰えるわ」


月は敢えて未来から来たと言うことは避けた。それはかんざし婆との約束。これ以上問題を起こしてはいけない。未来から来たことを知っているのは、かんざし婆と透だけだ。それも信じて貰えているかどうかさえ怪しい。

「袋みたいなもので、腰と足にくっついてたと思うんだけど」

…未来へ戻れるヒントになるようなものがあるかも知れない。

喜平は暫く考え込んていたが、あったような気がすると言う風に曖昧に頷いた。

「ほんと!それはどこにあるの?ここにありますか?!」

月は自分を落ち着かせるように深呼吸をひとつした。









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