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夜伽月 よとぎづき
第7章 秘密
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「おいおい…」
吐瀉物に塗れ、今にもそれが鼻も気管も塞いでしまいそうになった。血液が混じったものを何度か吐いた月を、鬼鎧は慌てて抱え上げた。
「む…胸が…焼ける…」
苦しみ出した月に慌てた鬼鎧は洞窟の出口に向かって月を抱えたまま走り出した。
「おいっ!おめぇ一体何をしたっ!誰かっ!誰か居ないかっ!」
その騒ぎを聞きつけた、見張りや女達、そして清賢が駆けつけた。
「なんて事じゃっ!」「おおっ!」
人々は、鬼鎧の腕の中で吐き続ける月をみてただただオロオロするだけだった。
「水をっ!誰か水を持って来い」
雷の様な声で鬼鎧が叫んだ。人垣を掻き分けて、清賢が月の前へとやってきたが、その姿を見て、清賢は一瞬で何が起こったのか悟った。
「和尚…夜伽が突然血を吐いたのだ」
「お見せ下さい」
鬼鎧は、嘔吐を続ける月を床に静かに降ろした。肌蹴た着物を素早く直すと、清賢は、月の目や脈を診た。そして吐瀉物の中を月の診察と同じくらい長く観察していた。
「なんだ?」
その間も、月の苦しみは続いていた。
「水を沢山飲ませます…水を!」
女が持って来た水を月に飲む様にと清賢は促した。首を振る月にきつい口調で言った。
「夜伽様、いけません。これを飲みなさい。そして全て吐き出すのです」
月は苦しみつつも貰った水をごくごくと飲んだ。清賢は徐に月の口の中へと、その細い指を突っ込んだ。
「げほっ…げほっ」
飲んだばかりの水とともに、再び月は何度も吐いた。
「そうです…何も出なくなるまで、しっかりと吐くのです」
清賢は女達に月の世話を頼み、洞窟の出口から近い部屋へと月を寝かせる様に指示を出した。
そしてくるりと鬼鎧に向き直ると、吐瀉物から何かを摘まみあげた。
「なんだ?それがどうしたと言うんだ」
心配して集まって来た女達。
吐瀉物に塗れ、今にもそれが鼻も気管も塞いでしまいそうになった。血液が混じったものを何度か吐いた月を、鬼鎧は慌てて抱え上げた。
「む…胸が…焼ける…」
苦しみ出した月に慌てた鬼鎧は洞窟の出口に向かって月を抱えたまま走り出した。
「おいっ!おめぇ一体何をしたっ!誰かっ!誰か居ないかっ!」
その騒ぎを聞きつけた、見張りや女達、そして清賢が駆けつけた。
「なんて事じゃっ!」「おおっ!」
人々は、鬼鎧の腕の中で吐き続ける月をみてただただオロオロするだけだった。
「水をっ!誰か水を持って来い」
雷の様な声で鬼鎧が叫んだ。人垣を掻き分けて、清賢が月の前へとやってきたが、その姿を見て、清賢は一瞬で何が起こったのか悟った。
「和尚…夜伽が突然血を吐いたのだ」
「お見せ下さい」
鬼鎧は、嘔吐を続ける月を床に静かに降ろした。肌蹴た着物を素早く直すと、清賢は、月の目や脈を診た。そして吐瀉物の中を月の診察と同じくらい長く観察していた。
「なんだ?」
その間も、月の苦しみは続いていた。
「水を沢山飲ませます…水を!」
女が持って来た水を月に飲む様にと清賢は促した。首を振る月にきつい口調で言った。
「夜伽様、いけません。これを飲みなさい。そして全て吐き出すのです」
月は苦しみつつも貰った水をごくごくと飲んだ。清賢は徐に月の口の中へと、その細い指を突っ込んだ。
「げほっ…げほっ」
飲んだばかりの水とともに、再び月は何度も吐いた。
「そうです…何も出なくなるまで、しっかりと吐くのです」
清賢は女達に月の世話を頼み、洞窟の出口から近い部屋へと月を寝かせる様に指示を出した。
そしてくるりと鬼鎧に向き直ると、吐瀉物から何かを摘まみあげた。
「なんだ?それがどうしたと言うんだ」
心配して集まって来た女達。
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