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夜伽月 よとぎづき
第7章 秘密
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「あっ…これは…」
女達が小さく声をあげた。
「なんだ椎茸じゃねぇか」
鬼鎧がいらいらしながら言った。
「いいえ…ツキヨタケ…です」
ツキヨタケは、椎茸と間違われ易い毒キノコだった。摂取すると、腹痛や嘔吐、幻覚、神経麻痺などの症状を起こす場合がある。
「ど…どうしてこれが…確かに味噌汁にキノコは使ったけどね、ここに居る女達は、みんな区別はつく筈だ」
「じゃぁ。一体誰が?」
何度も嘔吐させられてぐったりしている月に女達は炭を溶かした水を飲ませていた。
「作った奴を連れてこい!関わった奴もだ」
数人の女達と、料理を運んだ轡が連れて来られた。お腹の痛み、手足の痺れなどと闘いながら、月はぼーっとした頭で考えた。
…だ…誰かが…私を...殺そうとした?
それは、誰が見ても明らかだった。連れて来られた轡が震え、口に付いている錠前がかちかちと音を立てていた。
「轡…お前なのか?」
鬼鎧は、鬼の様な形相でぎろりと轡を睨んだ。
…ど…どうして?どうして…彼女が?
恨まれる様な事はしていないし、月が轡と会ったのは今日が初めてだった。
「うーうー」
獣の様な声無き声をあげる轡は、私はやっていないとばかりに首を激しく横に振った。そして口の錠前を外して欲しいと訴えた。
「よし分かった…良いだろう」
鬼鎧は怒りに満ちた声で言った。
「野風〜!野風は居るか〜?」
…の…野風。
月は、野風の行動を思い出していた。膳を途中まで持ってきたのは、確かに轡だった。けれど、野風にもそのチャンスはあった。
…そ… それに…あの時…確かに笑ったわ。
野風が大人しく鬼鎧の元を離れたのも、これで辻褄があう。
「野風ぇぇ〜!」
鬼鎧が、再び大きな声で野風を呼んだ。ぴんと張り詰めた空気を皆が感じており、焚き火の音だけがパチパチと洞窟に響いていた。
女達が小さく声をあげた。
「なんだ椎茸じゃねぇか」
鬼鎧がいらいらしながら言った。
「いいえ…ツキヨタケ…です」
ツキヨタケは、椎茸と間違われ易い毒キノコだった。摂取すると、腹痛や嘔吐、幻覚、神経麻痺などの症状を起こす場合がある。
「ど…どうしてこれが…確かに味噌汁にキノコは使ったけどね、ここに居る女達は、みんな区別はつく筈だ」
「じゃぁ。一体誰が?」
何度も嘔吐させられてぐったりしている月に女達は炭を溶かした水を飲ませていた。
「作った奴を連れてこい!関わった奴もだ」
数人の女達と、料理を運んだ轡が連れて来られた。お腹の痛み、手足の痺れなどと闘いながら、月はぼーっとした頭で考えた。
…だ…誰かが…私を...殺そうとした?
それは、誰が見ても明らかだった。連れて来られた轡が震え、口に付いている錠前がかちかちと音を立てていた。
「轡…お前なのか?」
鬼鎧は、鬼の様な形相でぎろりと轡を睨んだ。
…ど…どうして?どうして…彼女が?
恨まれる様な事はしていないし、月が轡と会ったのは今日が初めてだった。
「うーうー」
獣の様な声無き声をあげる轡は、私はやっていないとばかりに首を激しく横に振った。そして口の錠前を外して欲しいと訴えた。
「よし分かった…良いだろう」
鬼鎧は怒りに満ちた声で言った。
「野風〜!野風は居るか〜?」
…の…野風。
月は、野風の行動を思い出していた。膳を途中まで持ってきたのは、確かに轡だった。けれど、野風にもそのチャンスはあった。
…そ… それに…あの時…確かに笑ったわ。
野風が大人しく鬼鎧の元を離れたのも、これで辻褄があう。
「野風ぇぇ〜!」
鬼鎧が、再び大きな声で野風を呼んだ。ぴんと張り詰めた空気を皆が感じており、焚き火の音だけがパチパチと洞窟に響いていた。
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