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淳、光と闇
第20章 トランぺッター龍二、悲しみのレクイエム
「それは出来ない…」
「龍二…」
「俺は患者さんが
逝ってしまうたびに
その人にトランペットを通じて
樹里の病気が良くなるようにと
願いを込めて吹いている。
だから…」
「やめて!!」
「樹里…」
「もう、あの物悲しい…
音色は聞きたくないの…」
樹里は顔を手で覆って
「私、長くないから…」
「樹里!」
二人は抱き合って泣いた。
「なんで?どうして?」
龍二はそう言って泣いた。
「龍二、もうこれ以上
自分を責めないで。
もうあなたは十分
私に尽くしてくれた。
だからこれからは私より
自分の将来を考えて…」
「じゅ、樹里!!」
「もう…来ないで!」
「そ、そんな…
嫌だ!!」
「お願い…」
龍二は病室を駆け出して
廊下で崩れ落ちた。
「龍二…」
「俺は患者さんが
逝ってしまうたびに
その人にトランペットを通じて
樹里の病気が良くなるようにと
願いを込めて吹いている。
だから…」
「やめて!!」
「樹里…」
「もう、あの物悲しい…
音色は聞きたくないの…」
樹里は顔を手で覆って
「私、長くないから…」
「樹里!」
二人は抱き合って泣いた。
「なんで?どうして?」
龍二はそう言って泣いた。
「龍二、もうこれ以上
自分を責めないで。
もうあなたは十分
私に尽くしてくれた。
だからこれからは私より
自分の将来を考えて…」
「じゅ、樹里!!」
「もう…来ないで!」
「そ、そんな…
嫌だ!!」
「お願い…」
龍二は病室を駆け出して
廊下で崩れ落ちた。