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淳、光と闇
第20章 トランぺッター龍二、悲しみのレクイエム
三人は言葉も出ずに黙って見送る。


次の日。

龍二は何もなかったかのように

樹里を見舞いに来た。

「樹里、気分はどうだい?」

「龍二。今日は少し気分がいいの…」

樹里は笑顔で折った鶴を龍二に見せた。

「また増えたね…」

龍二は樹里から鶴を受け取ると壁に

吊るしてある紐に通して

「あと何羽折ったら…」

そう言った。

「もう少しよ?」

「え??」

龍二が驚いて樹里を見る。

「龍二、もう少し折ったら
千羽になるの…」

「そんなになるか…」

「えぇ、もう少しで千羽になる。
そうしたら…私、旅立てるの…」

「樹里!」

「龍二…お願い!
トランペットを、
患者さんの死を悼んで
トランペットを吹くの
やめて!」
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