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伝わらない想い
第3章 恋か友情か
「今度の日曜、店休みだろ?」

あれから俺は仕事が少し忙しくなり、久しぶりにブルースカイに来ていた。

カウンターに座り、ビールを口にする。

「なんで?」

「この間のお礼させて」

「あれ本気だったんだ...そんなの別に良いのに」
素っ気なく言われるけど、いつもこんな感じだから気にしない。

「とりあえず昼過ぎに迎えに行くから」

「ん...」

「陸、俺の娘に変なことすんなよ」
前で俺らの話を聞いていたマスターに釘を刺される。

「なんもしないですよ」
それを笑いながら受け流した。

もうここに通い出して10年近くになるからか、マスターはいつも俺や純のことを息子のように可愛がってくれる。
「純、最近来ないけど元気にしてるのか?」

「俺も会ってないんですよ」
例の彼女のことを聞いて貰ったあの日以来連絡を取っていなかった。

「ま、便りがないのは元気な証拠ってやつかな」

「そうですね」
カウンターに座るといつもこんな風に軽く世間話をする。
マスターのこの穏やかな口調とか雰囲気が昼間の疲れを吹き飛ばしてくれる気がした。
この店は俺にとって癒しの場でもあるんだ。

「陸、おかわりは?」

「あ、じゃあもう一杯くれるか」
蘭はクールであまり笑いはしないが、その雰囲気はこのマスターの血を継いでるだけあってかとても心地の良いものだった。
「はいどうぞ」

「ありがとう」
キンキンに冷えたビールがぐびっと喉を通過していった。
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