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伝わらない想い
第3章 恋か友情か
「悪い」

「あ、うん...大丈夫だった?電話」

「へ?電話.....あ、ああ大丈夫」

そう笑う陸だけど、心ここに在らず。
そんな陸を見て、私の心もどこかに飛んでいきそうになった。

「...陸?」

「....え?何?」

話し掛けても反応が遅くて、ついさっきまであんなに楽しかったのに、何かが崩れていく音が遠くの方から聞こえてくるみたい。

陸は今、誰のことを想っているの?

「何か、あった?」

聞きたくないことを口にしてしまう。

「...さっき、純がいて」

「ああ、女の人といたね」

「...見てたんだ」

「ちらっと...」

「俺が、...好きになった子だった」
心を鷲掴みにされたように苦しくなる。

「そう、なんだ...」

「この間からあいつの様子おかしかったんだ」

陸の話をただ黙って聞く。
と言うよりも、言葉が出てこなかった。

「女遊びやめたとか言ってて、あいつが本気になった女の人が、あの子だったなんて...」

「それ、で?」
絞り出すように声を出す。

「...俺は、どうしたら良いんだろうな...」
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