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伝わらない想い
第3章 恋か友情か
「陸はどうしたいの?」
まるで恋愛相談。

いつも私はこうなんだ。
素直になれない自分が嫌い。

「俺は...みんなが幸せになれれば良いと思ってる」

「偽善者」

「はは、だよな...」
切なそうに笑って陸は続けた。
「偽善者って思われても良いんだ、ただ、俺の周りにいる人には幸せになって欲しい...純にも、あの子にも...もちろん蘭にも」

最後の言葉に、また胸が締め付けられる。

「ごめんな、こんな話」

「ん、大丈夫。いつでも聞くよ」

必死で笑顔を作る。
そして、この相談役とかいう訳分からない地位を確立していくんだ。

「ありがと」
陸の顔は少し穏やかさを取り戻していた。

「ごめん、この後急用出来ちゃってもう行かなきゃ...」

「え?あ、そうなんだ」

「うん、ごめんね...これ、ありがと...」

今言える精一杯の嘘をついて、私は店を出た。


外に出た瞬間、景色が歪んでいく。

苦しい。

息が、できない.....ー。
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