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友達でいるしかない
第4章 心友
入試も無事に終わり全員が希望の高校に合格する。
それぞれが違う道を歩き出す
自分の将来に向かっての第一歩。
俺たちの結束は固い。

それを実感できてよかったと思う。

これから先、いろんな奴と出会い友達はきっと増えていく。
だけど、こいつら以上に大事に思える友達はいないだろうと。
はっきりと実感する。


カノンのメロディーが流れだす。
本当に最後なんだと思うと少し感傷的になる。
在校生に見送られながら体育館を後にするとき一筋の涙が滑り落ちる。
簡単なホームルームが終わり最後の学校生活が終わりを告げた。
別れを惜しみながら一人一人教室をから出ていく。
俺も教室から出ていく奴らにあいさつをしながら見送る。
この教室でみんなを見送りたいと思った。
感謝を込めて…

「まだ残ってたか」

担任のナカジーが教室に顔を出す。
黒板に書かれた後輩が書いた見送りの言葉を消していく。
それをただ黙って見守った。
消し終わるとこちらを振りかえる。

「お前は良く頑張った…つらい時期を良く耐えたと思う。その経験大切にしろ。痛みを知っている分、お前は強くなれる。そして…その時に手を差し伸べてくれた友達も大切しろ!!それすべてがきっとお前の財産になる。」

教壇の上から俺だけに発せられる言葉。
それは痛いほど俺の気持ちに焼き付いている。
あの時、彼らがいなかったら俺はきっとここにはいない。
そしてこれからもなかったのかもしれない。

ナカジーは俺の前の椅子に腰かけ真剣な目で俺を見据える。

「…あの時…かばってやれずに…一番つらい時に力になってやれずに…本当に悪かった…」

絞り出すように言葉を吐き出す。
この半年ナカジーも苦しんでいたんだと初めて気づく。
見えない気持ちに気付かない子供だったんだと思い知らされる。

俺は立ち上がって深々と頭を下げた。

「ナカジー…中島先生。色々と…ありがとうございました。」

俺の頭をくしゃくしゃと痛いほど触られる。

「お前…大人を泣かすなっ」

「勝手に泣いたのナカジーじゃん…俺…絶対に忘れないから。もう二度とあんなつらい目にあいたくない…あわせたくない」

はっきりと宣言する。
もう二度と同じ過ちはおかさないと。
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