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友達でいるしかない
第6章 文香の幸せ
仲間と職員室に顔を出しお世話になった先生たちにお礼を言い、別れを惜しんだ。
校庭に出れば花束を持って後輩たちが集まってくる。
その中に雅の姿もある。
軽く手を上げると彼女は微笑み軽く頭を下げ、隣にはあの時一緒にいた男が寄り添っていた。
それを見て少し安堵した。
後輩と写真撮影したりと盛り上がる。
誰一人帰ろうとしないやつらと最後を満喫する。
大勢いる人並みの隙間から文香の姿を見つけた。
一人卒業証書を手に俺たちの方に近づいてくる。
仲間としゃべりながら、彼女に気付かれないように目で追う。
文香は一度たりとも俺を見ようとしないで俯いたまま、俺の後ろを素通りする。
その後ろ姿を眺め、見えなくなるまで見続ける。


「篠宮君、ちょっといいかな?話がるんだけど」

俺の事を呼ぶ声に振り向くと文香の元カレがいた。
話したこともない彼からの誘いに戸惑う。

「今日で卒業だから、ちょっと話したいんだ」

「…分かった…」

何の話があるのか見当もつかないが彼の後についていく。
校舎の裏の余り人が通らない場所まで連れてこられる。
そこまで一言も話さない。

「で?話って何?」

面倒くさいので早々に終わらせたい。
そいつは振り返ると、いきなり俺を殴ってくる。
握りしめた拳は俺の頬に見事にヒット。
よろめいて後ろに倒れた。

「何すんだ!!!」

いきなりのことに何がなんだかわからない。
手で口を拭ってみると口から血が出てることが分かった。
血の味がする唾を吐き出し、睨みつけた
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