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彼の秘密
第19章 テスト準備期間が来ました
テスト一週間前の金曜日の昼、また雅と澄と先輩がいない昼。
因みに神室は珍しく風邪で休みらしい。

というわけで、初めての真姫と二人っきりの昼は屋上で食べることにした。
外はさほど暑くなく、心地よい風が頬を撫でた
中の蒸し暑さはなんなのだろうと思うくらいだ

珍しくフードをとった真姫が、購買のパンを口に運んでいる。
いつもは、黄色のお弁当に雅の手作り弁当を持ってくるのでこれまた、二人に何かあったのだろうか。
「ねぇ、雫。」

「ん、何?」

「明日、彼の所に泊まりに行くんでしょ?」
口のなかに入れた卵焼きが喉に詰まりむせた。

「げっほ、は、え?何で知ってるの?」
彼はさほど驚いている様子も見せず、寧ろ確認だけを目的としたように冷めた反応をした
「やっぱり」
そして、俺の質問はスルーされた
「な、何でそんなこと聞くの?」

「いや、顔に嬉しいことが待ってるみたいなことがかかれていたから、鎌をかけたんだけど。
デート?」
鎌だったのか、というか自分はそんな顔をしていたのか・・・,穴に潜りたい気分だ。

気を取り直そうと、咳払いをし顔の筋肉を気持ち引き締める
「デートじゃないけど、勉強をね」

「真面目」

「まぁ、文化祭もかかってるからね。
相当頑張んないと。真姫はどう?」

「ん、今回はあいつもちゃんと教えてくれるから」

「そっか、雅みたいな兄弟がいていいなぁ」
真姫は俺の言葉をまた無視して、ぐいぐい聞いてきた。あまり、自分の事を話すのは好きではないらしい
「それってお泊まり?」

「え、うん」

「なら、覚悟は決めといた方がいいよ?」

「覚悟?」
勉強のスパルタさだろうか、それは身を持って知っているが、絶対それではないのは明白だ。
彼は教えてもらってないから、知っている筈がない
「セックス、初めてでしょ?」

今度は、口に含んだお茶が気管に入りかけ、盛大にむせた
彼は俺を殺すつもりなのかと思うほど
「な、なんでそんな 急に」

「まぁ、二人っきりだったら疚しい気持ちになるよ。男だもん
はい、ご馳走さまでした。先に教室に戻ってる」
と、言い逃げをしていった。
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