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彼の秘密
第6章 球技大会
部活も難なく決まった、五月のある日の昼食。
「そういえば、もうすぐ球技祭だね」
すっかり、日常になってしまった先輩との昼食時にこれまた慣れてしまった。先輩が俺の口に唐揚げを運んでるときに先輩がそう言った。

「球技祭?」

口に美味しい唐揚げを頬張りながら、その言葉に飛び付いた。

「うん、まさか知らないの?」

と、先輩が呆れたように聞く。

俺は、唐揚げをゴクンと飲み言葉を紡ぐ。
「・・・いや、知ってましたけど。もう、そんな時期なんだなぁって嬉しかったんですよ!」

「雫はスポーツ得意なの?」

「はい、自分はサッカーが得意ですね。
中学では県大会まで行った中のレギュラーでしたし、ここって、それが種目のひとつって聞いて
だからずっと楽しみにしてたんですけど何時やるかまで知らなくて」

「あぁ、そういうこと。
球技祭は、来週の水曜だよ。」

「まじですか!?うわー、楽しみ!
先輩はスポーツってどうなんですか?」

「うーん、取り合えず人並みには。」

「相変わらずの幅広さですね・・・見に行ってもいいですか?」
見に行っても格好いい姿しか見ないんだろうけど。
もっと、こうカッコ悪い姿も見たいんだけど。…もしかしたらみれるかな?

「ん、良いよ。でも生徒会の仕事もあるから会えないかもね」

「あっ、そうか。やっぱ会長になると仕事多いんですか?」

「そこそこね、ここの学校良くも悪くも生徒中心なところあるから・・・」

「じゃあ、俺先輩が参加できない分頑張って優勝しますから!」
と俺が勝手に燃えていると先輩は、淡々とけど顔を少しほころばせて
「いやあまり俺は球技際燃えてないから、まぁ頑張ってね。
見に行けたら見に行く」

「えっ!!、本当ですか?」
俺は先輩からの思わぬ言葉に心が跳ねた。

これは頑張らなければと意気込む雫だった。
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