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彼の秘密
第6章 球技大会
それから、クラスの皆で球技際の練習が始まった。
「そっちパスいったぞ!」

「わかってるって、よっと」
こういうのもあれだが、俺は中学の頃そこそこの強豪校でレギュラーを張ってたから、この球技際でもそこそこの戦力になっている。

まぁ、サッカー部引退して、それなりに時間もたったからまだ、現役でやってる澄やサッカー部員には負けるけど。

それでも、クラス内ではスタメンを張れてた。
「よし!一点はいった。」

「ナイス、暁!それにしてもお前らコンビいいな。」
とサッカー部の伊藤君が澄と俺を指してほめた。

すると澄が
「あぁ、俺たち中学の頃同じ部活だったから。
まあ、俺のほうが上手かったけどな。」
と、俺の頭に手を置き髪をぐしゃぐしゃにする。

「まじかよ、なぁお前部活何に入ってるんだよ。」

「軽音部だけど」
すると彼は目をまん丸くさせてそれから肩をがしっと掴まれた
「まじかよ!なぁ今からでもいいからサッカー来いよ」
とサッカー部員の伊藤君が誘ってきた。

「いや、遠慮しとく」

「そこを何とか!今一年の部員少なくて心細いんだよー」

何なんだその勧誘の理由はと思ったが、澄が伊藤君の頭をびしっと軽くチョップして
「こいつは、入らないって言ってるんだから無理に勧誘しても意味ないだろ。
それに、一年少ないんだからその分早くスタメンに入れる確率が上がるんだから、ポジティブに考えろよ。」

「お前も人が悪いよな。こんないい存在言わないなんて。」

「俺だって誘ったさ、けどこいつが嫌っていうんだから仕方ないだろ。」

「そうそう、それにしずは渡さないよ。
なんたって、俺たちのバンドのボーカルさんだからね。」

といきなり、輪に入ってきた神室君。
「やっぱり、俺の耳に狂いはなかった。いい声してて。曲の作り甲斐もあるってもんだ。」
と母親じみたことをいう。

「いや、雫はサッカー部に入るべきだって」

「だから、渡さないって。」
なんか急に俺争奪戦みたいなのが始まろうとしてた。
別になんも嬉しくなんだけど。なんも嬉しくないんだけど!!!
寧ろ困る、だって皆こっち見てるからね。
話の中心にいる俺はめっちゃ恥ずかしいんだけど。と話している当の本人達は気が付いてないことが余計にやだ!!!!
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