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第2章 知らぬが仏 〜夫 編〜

それからヤスとマスミさんが持ってきたツマミとビール、香澄が用意したサラダやパスタで賑やかな食事会となった。

「便利屋って、どんなことやってんだ？」

「電球換えからネコ探し、悩み相談まで何でもやるッスよ〜」

そう言ってヤスは社名と運営サイトのアドレスが印刷された名刺を寄越した。

「サトシさんも奥さんも何か困りごとがあったらオレに言って欲しいッス」

「あら、奥さんの相談なら仕事抜きでアタシがのりますよ？女同士にしか分からない悩みもイロイロあるものね。ずっと妹が欲しかったから、奥さんがアタシを姉と思って頼りにしてくれたら嬉しいわ」

マスミさんのウィンクに、香澄は頬をほんのり染めて頷く。

…そういえば友達はみんな大学生活を満喫していて会えないようだし、マスミさんみたいな年上の女性に親しくしてもらえるのは香澄にとっても心強いだろう。