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Snake and Sun --- 蛇と太陽
第2章 穏やかな日々と不穏
暖炉側のソファと、テーブルを挟んで向かい合うようにソファがもう1つある。テーブルには可愛らしい花が飾られ、メイド達のセンスの良さが感じられた。
あの辛辣で冷たいアレクセイがお茶を淹れるなんて珍しい、季節は春だが明日は雪が降るのではないかとソラはソファに腰掛けながらぼんやりと考える。
ソファは革素材であるが程よく沈むような座り心地の良いものであった。
アレクセイは棚の引き出しから茶葉を取り出して、手際よく紅茶を淹れる。甘いもの好きなソラのために、角砂糖をソーサーに置いて、彼女の前のテーブルに差し出した。
「ありがとう、美味しそうね!それで話って何?」
上品なティーカップの中に揺れる紅茶の匂いを嗅いで、嬉しそうに角砂糖を溶かしながらソラは上記を訊ねる。
アレクセイは向かい側のソファに腰掛け、ティーカップを静かに口に運んでいた。伏し目がちなのがやけに色っぽく見える。
「……ルーク・フェンディー以外の男性とのご結婚は考えておられませんか?」
「え!?」
アレクセイの言葉に、思わず紅茶を吐き出してしまいそうになったソラは慌てて飲み下し、素っ頓狂な声をあげる。
冗談かと思ったが、アレクセイの冷たい表情に変化はなく、ソラは小さく咳払いする。
「か、考えていないわ。どうしてそういうことを聞くの?お父様の差し金?」
「いえ、私個人の考えです。ルーク・フェンディーは確かに家柄もよく、身分や血筋としては申し分ありませんが……」
アレクセイがティーカップを置きながら話してる時、がちゃん!と食器が割れる音がした。ソラが手に持っていたティーカップを床に落とし、ぐったりとソファに背中を預けてしまった。
目の前でソラが突然眠りに落ちたのに、アレクセイは驚いた素振りもなく、優雅に紅茶を飲み進めた。計画通りとばかりに、その口角はつり上がって笑みを深めている。
「……子供だましの安っぽい"オママゴト"は、見ていて虫唾が走るな」
小さな声で上記を呟くと、無防備に眠るソラを見下ろしながらアレクセイは意地悪そうに笑って立ち上がった。
あの辛辣で冷たいアレクセイがお茶を淹れるなんて珍しい、季節は春だが明日は雪が降るのではないかとソラはソファに腰掛けながらぼんやりと考える。
ソファは革素材であるが程よく沈むような座り心地の良いものであった。
アレクセイは棚の引き出しから茶葉を取り出して、手際よく紅茶を淹れる。甘いもの好きなソラのために、角砂糖をソーサーに置いて、彼女の前のテーブルに差し出した。
「ありがとう、美味しそうね!それで話って何?」
上品なティーカップの中に揺れる紅茶の匂いを嗅いで、嬉しそうに角砂糖を溶かしながらソラは上記を訊ねる。
アレクセイは向かい側のソファに腰掛け、ティーカップを静かに口に運んでいた。伏し目がちなのがやけに色っぽく見える。
「……ルーク・フェンディー以外の男性とのご結婚は考えておられませんか?」
「え!?」
アレクセイの言葉に、思わず紅茶を吐き出してしまいそうになったソラは慌てて飲み下し、素っ頓狂な声をあげる。
冗談かと思ったが、アレクセイの冷たい表情に変化はなく、ソラは小さく咳払いする。
「か、考えていないわ。どうしてそういうことを聞くの?お父様の差し金?」
「いえ、私個人の考えです。ルーク・フェンディーは確かに家柄もよく、身分や血筋としては申し分ありませんが……」
アレクセイがティーカップを置きながら話してる時、がちゃん!と食器が割れる音がした。ソラが手に持っていたティーカップを床に落とし、ぐったりとソファに背中を預けてしまった。
目の前でソラが突然眠りに落ちたのに、アレクセイは驚いた素振りもなく、優雅に紅茶を飲み進めた。計画通りとばかりに、その口角はつり上がって笑みを深めている。
「……子供だましの安っぽい"オママゴト"は、見ていて虫唾が走るな」
小さな声で上記を呟くと、無防備に眠るソラを見下ろしながらアレクセイは意地悪そうに笑って立ち上がった。