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輪廻
第2章 2XXX年4月1日
ホルダーは洗浄までしてくれるが、やはりシャワーを浴びてさっぱりしたい。

「シャワー」

告げれば床下と天井からガラスの筒が現れる。

朝食をオーダーし筒に入れば、天井から降りたシャワーヘッドから適温の湯が降り注いだ。

そして床からスポンジが現れ隅々まで洗ってくれる。
今一度シャワーを浴びると湯が湧いて、胸元まで浸かり、満足すると排水された。

『風呂』と言えばバスタブも出てくるが、あまり必要ない。
バーチャルの風呂の方がよほど気持ちいいからだ。

仕上げは乾燥までしてくれて、抗菌チタンを練り込んだ『服』でラッピングしてくれる。

ガラスの筒が上下に分かれて開くと、オーダーしたBLTサンドのベーコンを炒める匂いがしている。
そして今日の気分に合った豆の珈琲を落とす匂いも…

室内で誰かが調理しているわけではない。
食欲が湧くように流された聴覚と嗅覚のバーチャルだ。

窓際のカウンターに腰掛けると、壁面からバーチャル通りの食事が出てくる。

誰かが、もしくは機械がレンジとかいう機械で解凍して出してくるらしい。

窓のカーテンを開けると、富士山からの御来光と共に眼下の景色が拡がる。

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