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輪廻
第3章 4月2日
曇りガラスをかなり薄くすると、こちらの方がしっかりとした手掛かりとなる。

『ドクター』の『救急隊員』だ。

白いズボンの裾が下から20㎝ほど切り替えになっていて、俺のラッピング服と同じ、抗菌メタリックのシルバーで出来ている。

抗菌メタリックは貴重で『ピラミッド』でしか使われていない。

裾から20㎝も使っているのは、ピラミッドの外に出る『救急隊員』だけだ。

『救急隊員』の仕事は2つ、『エネルギー』として活用できる病人や、胎児を『マザー』に委託する妊婦の『ピラミッド1階』への搬送。
もう1つは猛威を奮う感染症患者の抹殺。

御幸は『病院送り』になったか、抹殺されたか…

しかし、ノイズの後の寝室で御幸は眠っているのだ。

どちらでもないということはあり得ない。

そこで帰路のリビングの映像を解析することにした。

往路よりも手掛かりがある。
まずは、二人が横に並び、しかも後ろ向きに歩いている一歩目が、
そしてカメラが一周した時には、もう二人が前向きに歩いている後ろ足が映っていた。

最低4人が向かい合わせで、往路よりゆっくり歩いている、
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