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輪廻
第4章 4月3日
そのまま、顕著に反り返った裏筋を、何ミリという薄い素材越しになぞられた。

うっ…

「検査だったというのか…」

「はい、居住区でバーチャル世界にばかり浸ってらっしゃると、生身の体に反応しない機能不全に陥る方もいらっしゃるので…」

言いながらも女医の指は止まらず、裏側の中心や腹との境目をいやらしく指先でたどり、オレの象(カタチ)を確かめていた。

「診察はこれで終わりなのか?」

「はい、診察は…
でも、私には別の使命もございます。」

指に圧を掛けて擦ってくる。

「使命?」

「はい、今日私は可能日でございます。
悠都さまの検診がスケジューリングされた時から、可能日に当たる女医が選別されまして、
1ヶ月前から禁欲し準備をし、何人もの女医との選考試験に挑み、何とか最後まで残りました。
でも悠都さまのご希望でなければ、他のものもお選びいただけますし、このままお帰りいただくこともできます。」

「名前は?」

「みゆきです。深い雪と書いてみゆきと申します。」

「出産経験はあるのか?」

「いいえ。」

「パートナーや恋人は?」

「おりません。
悠都さまとお会いする機会をつくるために女医になりました。」
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