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甘えた
第7章 07
いいタイミングでくしゃみしてくれたと思う。あのまま進んでいたら飲み込まれてしまったかも…

洗い物をしながら、明後日から試験期間だったことを思い出した。やばっ、そっちの勉強もしないと。

「莉壱、お茶かコーヒー飲む?」

「麦茶でいい」

コップにペットボトルの麦茶を注いで莉壱の元へ持って行く。

「そろそろ、帰るね」

「ん、送るよ」

「あはは、電車で帰るって言ってるでしょ?」

「うん、駅まで送る」

莉壱の部屋があるビルの目の前の広い道路沿いに駅がある。8分程度の時間、その道のりを手を繋いで歩いた。

莉壱と一緒にいると、自分のペースを乱される。


あたしは莉壱の狙いを結愛花から逸らすために一緒にいる。

莉壱は何か企みがあってあたしに近づいている。


水面下での攻防戦は行き先も分からなくて、目にも見えなくて、ひどく疲れた。ニセモノ任務なんて意味あるのかな……
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