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甘えた
第9章 09
「都羽?泣きそう…」
「え?」
瞳を動かした拍子に目に溜まっていたらしい涙が一筋、頬を伝った。
「あれ?」
手で頬を隠すように覆い、指先に触れた温かい水気をさりげなく拭う。
涙の存在は自分でも気付かなかった。
無かった事にするために笑顔を作り…
「泣いてないよ?」
「どーしたの?」
訝しげにあたしの瞳を覗き込もうとする莉壱から視線を一旦外して、また笑顔を作る。
「あくびしたから、涙が出ただけ。へへっ」
当たり障りのない月並みな言葉で返す。自分ですら涙のわけが分からないのに、問いかけられても答えようがなかった。
車に乗り込むと莉壱は運転手に行き先を告げる。莉壱の部屋だ。
「莉壱、もんじゃ焼きは?」
「行かない」
「え?」
瞳を動かした拍子に目に溜まっていたらしい涙が一筋、頬を伝った。
「あれ?」
手で頬を隠すように覆い、指先に触れた温かい水気をさりげなく拭う。
涙の存在は自分でも気付かなかった。
無かった事にするために笑顔を作り…
「泣いてないよ?」
「どーしたの?」
訝しげにあたしの瞳を覗き込もうとする莉壱から視線を一旦外して、また笑顔を作る。
「あくびしたから、涙が出ただけ。へへっ」
当たり障りのない月並みな言葉で返す。自分ですら涙のわけが分からないのに、問いかけられても答えようがなかった。
車に乗り込むと莉壱は運転手に行き先を告げる。莉壱の部屋だ。
「莉壱、もんじゃ焼きは?」
「行かない」