この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
甘えた
第10章 10
ペンキ騒動以来、結愛花への嫌がらせ攻撃は落ち着いて、最近では長谷川くんが一人で歩く姿を見かけるようにもなった。といってもトイレに行く時くらいだけど。
週が明けた日、長谷川くんが一人の時を狙って話しかけた。
「なんだ久保か…」
彼女の幼馴染であるあたしに愛想を振りまけとは言わないけど、憂いのある瞳でニコリともしない。この男、無表情。
単刀直入に切り出す。
「莉壱から付き合ってるって聞いたと思うけど、あれ偽装だから…」
「そうなのか?」
無表情と同じで抑揚の無い声。驚きも落胆もしていない。
付き合ってるなんて本気で思ってないよね?結愛花のためって分かってるよね?
「そうだけど」
「くすっ」
え?今、笑った?揶揄ったの?あたしを試してた?
週が明けた日、長谷川くんが一人の時を狙って話しかけた。
「なんだ久保か…」
彼女の幼馴染であるあたしに愛想を振りまけとは言わないけど、憂いのある瞳でニコリともしない。この男、無表情。
単刀直入に切り出す。
「莉壱から付き合ってるって聞いたと思うけど、あれ偽装だから…」
「そうなのか?」
無表情と同じで抑揚の無い声。驚きも落胆もしていない。
付き合ってるなんて本気で思ってないよね?結愛花のためって分かってるよね?
「そうだけど」
「くすっ」
え?今、笑った?揶揄ったの?あたしを試してた?