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甘えた
第12章 12
任務という自分の気持ちを押し留めていた枷が外れて、素直な気持ちが溢れだす。  

あたしが落ちたんだから莉壱の勝ちだ。笑えばいいよ。
けど、今はそんな事どーでもいい…真っ直ぐに見つめ返してくれる莉壱の瞳が愛おしい。

莉壱は意表を突かれたように口を開けポカンとする。


「え?あはっ…あははっ。やっと俺を見てくれた」


「…ぇ?」

見ていなかったのは莉壱の方なのに?視線の先で長谷川くんの姿を追っていたのに?


「そっか、それで泣いてたんだ」

「え?」

「そっか、俺のことが好きで泣いてたんだ」

「…っ!」

「じゃあ、デートもほんとに楽しかったんだね。顔が真っ赤だよ?かーわい」

そーなんだ…あたし、莉壱のことが好きだから涙が出てたんだ……
結愛花も長谷川くんと両想いになれた時、泣いちゃったって…
それは好きって気持ちが溢れたからだよね。
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