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甘えた
第14章 長い一日
朝ご飯の後片付けをしている最中に、玄関でチャイムが鳴った。
光政が来たもんだとばかり思っていたあたしは、玄関に向かって大声で呼びつける。

「勝手にあがって来てー」

人の気配を感じて、おはよーと挨拶の言葉を吐きながら振り向いた。

「おはよう。勝手にあがったけど良かったか?」

白いTシャツの上にブルーのピンストライプの半袖シャツを羽織り、濃紺のコットンパンツという清潔感溢れる服装の長谷川くんが立っていた。

「…!びっくりしたー。光政だと思ってた…」

「驚かせて悪い…」

「あはは、あたしこそ出迎えずにごめんね。そっち座ってて。あっ、座布団もてきとーに使ってね」

居間のちゃぶ台の方を見やる。

コップに麦茶を注いで長谷川くんの前に置くと、向かい合わせの位置に座った。

「結愛花の様子はどう?」

「その前に、俺と結愛花のことで久保に迷惑かけたことを謝らないとな」

「ずるいよ。あたしだって結愛花を守ってるんだからさ、迷惑だなんて思ってないよ」

あたしの言葉に柔らかい眼差しで静かにほほ笑む。光を透かす金髪と相まった優し気な表情はいつも結愛花に向けられてるんだろう。
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