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甘えた
第3章 03
長谷川くんの親が所有する倉庫がある。

長谷川くんは数か月に一度、パーティーと称して近隣の若者たちを100人規模で集めていた。

ただ集まるだけ、飲み物や食べ物は持ちこみで全て自己責任。

ここは単純に出会いの場だった。

あたしも1年の頃からよく潜り込んでいた。

目的は一夜限りのセックス。

倉庫内はあちらこちらで男女のグループが盛り上がり、新しいカップルも誕生する。

そして主催者の長谷川くんの周りには女の子がいっぱい群がっていた。

そんな輪から外れた者同士の出会いもある。

あたしと同じ目的の人。ワンナイトスタンド。

この場所で慣れ合うつもりのないあたしは、一人で参加している見知らぬ顔を見つけては声を掛けて外に連れ出す。

この場にいる時間は10分も無かったからあたしがパーティーに来ているなんて誰も知らないかもしれない。

今週末に行われるそのパーティーに光政が一緒に行こうと言い出した。

「都羽さん、行ったことないっしょ?俺、警備で行くから案内するけど?」

「えっ?!結愛花も参加してるの?」

「まさか。銀河さん達は家に居るっす」

「あーびっくりした。あんなハーレム状態の長谷川くんは見せられないよ」

「あれ?都羽さん行ったことあんっすか?」

「うん、前にね…」

「へぇー。じゃあ、とりあえず行くべ」

警備ってどんなことをするのか興味があったから光政と出掛ける約束をした。

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