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甘えた
第14章 長い一日
「都羽、背中も洗ってくれる?」

「はいはい」

背中だけ洗うと、さっさと立ち去り、洗濯の続きをする。
洗濯機を隈なく眺めると小さな引き出しを発見、どうやらそこに洗剤を注入するらしい。

扉を閉めて自動のボタンを押した。水が注ぎこまれ始める。
泡立ちながら水かさが増し、ドラムが回りだす。見てると楽しいー。しばらく洗濯機の前にしゃがみ込んで中の様子をぼーっと見つめる。


「何してるの?」

お風呂からあがった全裸の莉壱に声をかけられた。

「あはっ、これ楽しいね」

「面白い?」

莉壱がすっごいレアな笑顔を見せた。口を閉じて口角をぎゅーっと上にあげ、眩しげに目を細めるそんな笑顔。

わぁー、いい笑顔。全裸だけど。

「腕のビニール取ってくれる?」

「うん。その前にパンツ履いたら?」

バスタオルで背中を拭いて、ギプスを保護したビニールに手をかける。
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