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甘えた
第15章 15
「それって決定だよ…ね?」
あたしが騒いだところで覆るような事柄じゃないのだけは分かる。
「そう。最終的には俺が決めた」
全然知らなかった。今まで一言もそんな話に触れてない。
「そんな話…初めて聞いた…」
「今、初めて話したからね」
マイペースに、さも当たり前のことを言うようにケロッとしている莉壱にぶちギレた。
今までも何度か、飄々とした態度の莉壱に都合良く流されてきたこともあったけど、この時ばっかりは、怒りの振り子が大車輪した。
「あたしに隠し事するなって言っといて、莉壱はどんだけでかい隠し事してんのよっ!!」
反射的に引っ叩くために腕を振り上げる。莉壱はあたしを真っ直ぐ見つめている。
すんでの所で理性が戻ったあたしは、怒りを閉じ込めるために手のひらを握りしめ、歯を食いしばる。下瞼に溜まる涙を零さないように。
手の甲で鼻水を拭いながら、バッグを掴むと部屋を飛び出し、逃げ帰った。
あたしが騒いだところで覆るような事柄じゃないのだけは分かる。
「そう。最終的には俺が決めた」
全然知らなかった。今まで一言もそんな話に触れてない。
「そんな話…初めて聞いた…」
「今、初めて話したからね」
マイペースに、さも当たり前のことを言うようにケロッとしている莉壱にぶちギレた。
今までも何度か、飄々とした態度の莉壱に都合良く流されてきたこともあったけど、この時ばっかりは、怒りの振り子が大車輪した。
「あたしに隠し事するなって言っといて、莉壱はどんだけでかい隠し事してんのよっ!!」
反射的に引っ叩くために腕を振り上げる。莉壱はあたしを真っ直ぐ見つめている。
すんでの所で理性が戻ったあたしは、怒りを閉じ込めるために手のひらを握りしめ、歯を食いしばる。下瞼に溜まる涙を零さないように。
手の甲で鼻水を拭いながら、バッグを掴むと部屋を飛び出し、逃げ帰った。