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甘えた
第17章 17
受験勉強に追われつつも、友達と笑い合い、充実した高校生活を過ごせた。無事大学にも合格し、入学前には車の免許も取得し、順風満帆だった。ただ一つの気がかりを除いては……

莉壱から2、3カ月おきに届くメールは相変わらず『つらい』の一言だけ。しかも今まで、たったの4通!あたし、もう高校卒業しちゃったよ?それだけの月日が流れているというのに、たったの4通。

あっ…メール以外にもあったんだ。

合格発表の日の夜、お花が届いた。莉壱からのお祝いのお花。受験番号も教えてないのにどうやって知り得たのか。

どうせだったら、お花じゃなくて直接おめでとうコールが良かったな……莉壱の声が聞きたい。
積もり積もった寂しさのメモリが少し増えた。

合格の報告とお礼を兼ねて、花を抱えて笑うあたしの姿を父さんに撮ってもらいメールに添付して送った。

次の日、家に帰ると2つ目のお花が届いてた。

「遅くなったけど誕生日おめでとう」

先週、誕生日を迎えたあたしへのお祝いの花。また写真をメールで送る。

たぶん莉壱は嬉しいんだと思う…メールの返事はないけど、あたしの写真を喜んでくれてると思う。

だって……3つ目のお花が届いたんだもん。

気に入ったことをあからさまに繰り返すんだよね、この子は。言葉はないけれど、こんな莉壱のやり口に安心させられた。
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