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甘えた
第18章 18
新しい年も明け、春に向かってもう1回くらい降雪がありそうな冷ややかな曇り空が続く。

「都羽の彼、やっと帰国?」

学食の向かいの席でサラダとゼリーをついばんでいるのはミナミ。あたしはがっつりチキンカツ定食。

「そうなのっ」

「うっは、目がハートマークになってる…都羽が女子ってるなんて珍し~」

「いいでしょっ?3年も待ったんだからっ」

「えらいよねぇ、私には無理だわ。でもさー、確か高校の夏からじゃなかった?」

ミナミがピンク色に染めた爪先を躍らせ指折り数える。今、あたし達は3年生、4月にはついに最終学年を迎える。

「あ、ほんとだ。3年半だね」

「なになに?単位取り損ねて卒業が延びたとか?」

「さぁ?夏に高卒認定試験を受けに帰って来た時には、3月に卒業って言ってたけどなぁ」

「はぁ…アンタら毎日顔見てしゃべってんじゃないの?」
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