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甘えた
第1章 01
結愛花の恋愛なんだから口を挟むなって言われそうだけど、やっぱり長谷川くんは信用ならない。

余計なお世話だとわかっちゃいるけど、この目で見定めないと気が済まなくなってしまった。

昼休み、彼らのたまり場になっている屋上に行くと、制服を着崩した茶髪の男子が5,6人で地べたに座って話し込んでいる。

その中でも一際目立つ金髪の男が――長谷川銀河

同じクラスにはなったこともないし、話をしたこともない。

ブロンドヘアが地毛かと思うくらい色白で均整のとれた顔つき、くっきりとした目に長い睫毛が色気を漂わせる。

「長谷川くん。話があるんだけど」

「誰?アンタ」

「隣のクラスの久保。結愛花の幼馴染」

「ああ…」

ダルそうに腰を上げると、集団から離れた場所へと歩き出す。

屋上のフェンスに凭れ掛かる長谷川くんと差し向かいになる。

170センチのあたしが少し見上げるくらいだから長谷川くんは180センチ越える身長か…

「結愛花を守るって約束は本気?」

間近で見ると思わず触りたくなる程、造形的に綺麗な顔。

不良やらずにモデルやればいいのになんて下世話な思いを抱きながら、長谷川くんの風雅な瞳の奥をじっと見ながら真剣に話を切り出した。
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