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甘えた
第5章 05
「アイツだよ…」
殴打の痕を頬につけた莉壱の視線の先には結愛花の隣に座る長谷川くん。
「ああ、長谷川くん?」
「んー好き?っていうのとはまた違うなぁ、……んーと、あたしが唯一認めた男かな」
あたしが守ってきた結愛花を託してもいいと思えた男。
長谷川くんにその座を明け渡したけど、莉壱…アンタの魔の手から結愛花のことは守りきるから。
「……君も、ってことは、莉壱は長谷川くんのこと好きなんだ?」
「大嫌いだ」
「なるほどね」
即座に大嫌いだなんて…本当に嫌いだったら軽々しくそんなこと言わない。
結愛花と話をした時の『兄弟なんだから仲良くして欲しいの』という言葉が甦る。
本当は兄として好きなんじゃないの?
…だからといって兄弟喧嘩に結愛花を巻き込むのは許さない。
まわりの女子たちがチラチラと莉壱に視線を送りキャッキャする声を上げはじめた、スーッと一歩横にずれ莉壱との距離を広げた。
「なんで逃げるんだよ?」
サッカーシューズを足でずらしながらシューズごと移動して距離を詰めてくる。
「女の子たちに勘違いされると困る」
「ふーん」
「そろそろ帰ったら?」
殴打の痕を頬につけた莉壱の視線の先には結愛花の隣に座る長谷川くん。
「ああ、長谷川くん?」
「んー好き?っていうのとはまた違うなぁ、……んーと、あたしが唯一認めた男かな」
あたしが守ってきた結愛花を託してもいいと思えた男。
長谷川くんにその座を明け渡したけど、莉壱…アンタの魔の手から結愛花のことは守りきるから。
「……君も、ってことは、莉壱は長谷川くんのこと好きなんだ?」
「大嫌いだ」
「なるほどね」
即座に大嫌いだなんて…本当に嫌いだったら軽々しくそんなこと言わない。
結愛花と話をした時の『兄弟なんだから仲良くして欲しいの』という言葉が甦る。
本当は兄として好きなんじゃないの?
…だからといって兄弟喧嘩に結愛花を巻き込むのは許さない。
まわりの女子たちがチラチラと莉壱に視線を送りキャッキャする声を上げはじめた、スーッと一歩横にずれ莉壱との距離を広げた。
「なんで逃げるんだよ?」
サッカーシューズを足でずらしながらシューズごと移動して距離を詰めてくる。
「女の子たちに勘違いされると困る」
「ふーん」
「そろそろ帰ったら?」