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第1章 瑞希×沙羅　－　夢の中で

『今までの私は何？？』

って泣いたりもしたけれど周りは『30歳近いし結婚』との言葉が飛び交っていて、前に進もうと…進めないけど自分に言い聞かせていた…
遠いようで近い過去。
平凡のようで平凡ではない私の恋愛遍歴…
そういえば…

『お前のキス下手』

って、あっさり切り捨てられたこともあった…
あれからキスも苦手で…

キスも下手で、自分から求める言葉も発せられない私は…王子様も嫌いになるよね…
そう思うと自然と涙が零れ落ちていく。

王子様の手が私の涙をすくって拭いてくれた。
その瞳からは何を思っているのか読み取れない。
呆れているのか、馬鹿にしているのか…憐れんでいるのか…
夢の中でも私はどうしようもない女…