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第1章 瑞希×沙羅　－　夢の中で

「何を考えているんですか？」

それでも言葉は優しい。
そんな王子様だからなのかスルリと言葉が流れ出す。

「こんな…こんな私を憐れんでいますか？？呆れていますか？もう…嫌気がさしましたか？」

私の言葉に一瞬、王子様の目が見開く。
予期せぬ言葉だったのだろうか…

「あなたのどこに憐れむ要素があるのですか？」

「私は…どうしようもない女だから…」

止まることのない涙は頬を伝いベッドのシーツを濡らしていく。
フッと優しく微笑む王子様の笑顔が目に入ってくる。
その瞳がとても優しく、今日一日で何度も虜にされた、人を癒すとても優しい瞳で、私を正面から見据えてくる。
その瞳を逸らすこともできずにただみつめかえしてしまう。

「そんな馬鹿な男共の為に瑞希が自分を卑下することはありませんよ。瑞希には瑞希の良さを分かってくれる素敵な人が必ず現れますから…」

何も言わないのに理解してくれる王子様。
やっぱりこれは夢よねと再確認する。

「ですから、それまでは…今日は私に溺れてください」