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貴方の心と身体を癒してさしあげます
第1章 瑞希×沙羅 - 夢の中で
つまらない食事会を終えて一人駅に向かう。
金曜日の夜のせいか、繁華街には人が溢れかえっていた。
酔っぱらった男共。
それを呼び込むきれいなお姉さんたち。
道端に座り込み喋り込んでいる若者たち
その中を人とは違う速さで歩いていく。
興味もない、用事もない繁華街に一秒たりともいたくはなかった。
歩いていると目の前にスッとティッシュが差し出された。
その持ち主を見ると、目が釘付けになる。
こんな顔立ちの人を王子様と呼ぶのだろう。
長身で手足が長く、今時珍しくサラサラストレートの黒髪が風になびいていく。
ノーネクタイのスーツが色気を漂わせてくる。
「よかったら受け取ってください」
にっこり笑顔もまた素敵すぎて目がハートになり、無意識のうちに手が伸びてティッシュを受けとっていた。
「もしご用命があればお電話くださいね。あなたの心と体を癒して差し上げます。」
怪しい宗教の誘いかと一瞬身構えてティッシュに入っている広告を読んでみる
『あなたの寂しい心と体を癒します。
犯罪行為以外であれば我々はあなたの意のままに
お代はあなたの心をいただきます』
完璧に怪しい宗教だ!
と思ってティッシュを返そうと顔を上げると、王子様はもうどこにもいなくなっていた。
金曜日の夜のせいか、繁華街には人が溢れかえっていた。
酔っぱらった男共。
それを呼び込むきれいなお姉さんたち。
道端に座り込み喋り込んでいる若者たち
その中を人とは違う速さで歩いていく。
興味もない、用事もない繁華街に一秒たりともいたくはなかった。
歩いていると目の前にスッとティッシュが差し出された。
その持ち主を見ると、目が釘付けになる。
こんな顔立ちの人を王子様と呼ぶのだろう。
長身で手足が長く、今時珍しくサラサラストレートの黒髪が風になびいていく。
ノーネクタイのスーツが色気を漂わせてくる。
「よかったら受け取ってください」
にっこり笑顔もまた素敵すぎて目がハートになり、無意識のうちに手が伸びてティッシュを受けとっていた。
「もしご用命があればお電話くださいね。あなたの心と体を癒して差し上げます。」
怪しい宗教の誘いかと一瞬身構えてティッシュに入っている広告を読んでみる
『あなたの寂しい心と体を癒します。
犯罪行為以外であれば我々はあなたの意のままに
お代はあなたの心をいただきます』
完璧に怪しい宗教だ!
と思ってティッシュを返そうと顔を上げると、王子様はもうどこにもいなくなっていた。