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第2章 愁子×沙羅　－　桜の散る頃に

次の日から、愁子は昔からの友人のように接してくる。
甲斐が良しくも私の面倒を良くみてくれた。
食事から洗濯まで何もかもやってくれるおかげで私のすることは何もなく、毎日をただ何をするでもなく過ごす。
ここ何日かは少し肌寒かったせいか桜の花はまだ咲かない。
蕾はピンク色に染まり、今にも弾けそうにはしているので、今日の温かな気候で一気に咲くのではないかと思われた。
桜が散るその時まで…
それに何の意味があるのか、まだ分からない。
愁子の望みも本当に傍にいるだけ。
まだ彼女の本当の望みは伝わってこなかった。
桜が散る時…
その時には分かるのだろうか？

「今日は咲きそうですね」

後ろから、半袖のワンピースにストールを羽織っている愁子が声を掛けてくる。
その薄着でも寒くないほどの気温。

「そうですね。明後日ぐらいには満開でしょうか？」

「そうなれば…散るだけですね」

愁子の横顔が寂しそうに見える。