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貴方の心と身体を癒してさしあげます
第2章 愁子×沙羅 - 桜の散る頃に
次の日は朝早くから愁子はキッチンに立っていた。
冷蔵庫の中のもので花見用の食事を作っている。
毎度ながら手際が良い。
そして手が込んでいる料理ばかり。

桜の下にセッティングしたテーブルの上にはローストビーフにアクアパッツァに生春巻きに菜の花と筍のちらし寿司と豪華な食事が並ぶ。
シャンパンはクリュッグ。
フランス北部のお酒で、たしかシャンパンの帝王と尊称されている高級シャンパン。
それとドイツのシャルツホフベル…これもまた貴重なワイン。
まずはクリュッグで乾杯をして優雅なひと時を過ごす。
楽しいおしゃべりをして美味しい食事とお酒で時は過ぎていく。
愁子の口からはまだ何も語られない。
それに触れたくないかのように愁子の口はいつも以上に饒舌に回る。
一通り食べ終わると愁子は箸を置いて暫し桜を鑑賞する。
その間に私は食器を引き、テーブルを片付ける。
簡単な摘みとお酒だけを残して。
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