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貴方の心と身体を癒してさしあげます
第2章 愁子×沙羅 - 桜の散る頃に
毎日朝から夜まで2人きり。
私を描いているあの方の目が私を虜にする。
愛が芽生えるのに時間はかかりません。
結婚が決まっている私は悩みました。
だけど、その方と愛し合いたかった。
ある暑い夏の日の夜でした。
外でぼんやりと星を見ている、その方に私が言いました。

『抱いてください』

その方は私の素性は知りません。
ですが婚約者がいることは知っていました。
だからでしょうね。

『愁子が傷つくだけだから、やめておこう』

一生に一度の大告白なのに、その方はやんわりと断ってきたんです。
恥ずかしくて、寂しくて、私は何も言えずに自分の部屋に戻りました。
拒まれたこと、これから先、愛もない方とだけしか結ばれない私自身の哀れな結末に涙が止まりませんでした。
その日の朝方近くにその方が私の部屋に現れたんです。
ドアを開けて、だけどそこから入ってくることもなく、ただ私を見ているだけでした。
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