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貴方の心と身体を癒してさしあげます
第2章 愁子×沙羅 - 桜の散る頃に
愁子は立ち上がり桜の木を愛おしそうに抱きしめる。
そこに、昔愛した人がいるかのように…
「それからお二人はどうなさったんですか?」
「それから…」
それから、私たちは口も聞かなくなってしまって、月日だけが過ぎていったわ。
お互いがいない時間に食事をして顔を合わせないように…
本当は彼の部屋に行って、一緒に過ごしたいって思ったけど…変な意地を張ってしまって…
今でも後悔してる。
どうして、正直にならなかったのかしら。
どうして、正直に謝れなかったのかしらって。
でも、もう全てが後の祭りで、彼がフランスに旅立つ日があと数日と迫っていた。
その頃は、もう桜が満開で、この木も今みたいに綺麗に咲き誇っていた。
「沙羅が座っている場所かしらね。そこからこの木を眺めていたわ…私が近づくのも気が付かないほど…私はそっと後ろから抱きしめて泣いた…今更だと分かっていても行ってしまう彼を思って泣いたわ」
そこに、昔愛した人がいるかのように…
「それからお二人はどうなさったんですか?」
「それから…」
それから、私たちは口も聞かなくなってしまって、月日だけが過ぎていったわ。
お互いがいない時間に食事をして顔を合わせないように…
本当は彼の部屋に行って、一緒に過ごしたいって思ったけど…変な意地を張ってしまって…
今でも後悔してる。
どうして、正直にならなかったのかしら。
どうして、正直に謝れなかったのかしらって。
でも、もう全てが後の祭りで、彼がフランスに旅立つ日があと数日と迫っていた。
その頃は、もう桜が満開で、この木も今みたいに綺麗に咲き誇っていた。
「沙羅が座っている場所かしらね。そこからこの木を眺めていたわ…私が近づくのも気が付かないほど…私はそっと後ろから抱きしめて泣いた…今更だと分かっていても行ってしまう彼を思って泣いたわ」