パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第2章 愁子×沙羅　－　桜の散る頃に

桜が散り始めた頃…
散り始めたらあっと言う間よね。
部屋から散りゆく桜を一日中見てたわ。
風に吹かれて儚く散っていく。
私も儚く散って無くなればいいのにって思ってしまったりしてね

「だから、沙羅が“私も儚く散りたい”とつぶやいたのを聞いた時に、他人事とは思えなかった…あの時の私と同じだわと思って…引き留めてしまったの…ごめんなさいね」

桜の木に寄りかかりながら愁子は謝る。
彼女が何を願い何を憂いているのか分かった気がした。
この先の2人の運命の行きつく先も、彼女が本当は何を望んでいるのかも。
だけど、私は最後まで彼女の話を聞く。
それが彼女の願いでもあるのだから…

「私は感謝していますよ。ステキな時間を過ごさせてもらっています。その彼もそうだったのではないですか？だから約束残した…あなたの手に届かないと分かりながらも…」

愁子が目を丸くして驚きながらも、にっこり微笑んだ。