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貴方の心と身体を癒してさしあげます
第2章 愁子×沙羅 - 桜の散る頃に





『そのまま言わせておけば、抱けたものを』

頭の中に直接声が響く。
足元を見れば胡蝶がそこにいた。

「私が抱くより、愁子が待ち望んでいる人に抱かれる方が効果的だと判断したまでです。全てにおいて私が抱けばいいという話でもないはず…胡蝶はただ私を監視していればいい。口出しは無用です」

冷たく言い放し、私は愁子を抱き上げて部屋に戻る。
彼女の願いは私に抱かれることではなく、待ち続けている人物に抱かれること。これからの人生を共に生きること。
長年待ち望んだことに私が水を差すこともない。
私が抱くよりも何倍も輝きを増すのは間違いないのだから。
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