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暁の星と月
第1章 暗闇の中の光
そして、母が亡くなって数日…。
まだ茫然自失の暁の元に、スーツを着た男といかにもヤクザ者らしい男が荒々しくやってきたのだ。
ヤクザ者は長屋の粗末な扉を蹴り飛ばしながら入ってきた。
一部屋しかない長屋だ。逃げ場はない。
暁は震え上がり立ちすくんだ。
ヤクザ者は怯える暁を可笑しそうに嗤い、頭から足先まで舐めるように見回した。
「…お前が暁かい?」
返事も出来ないでいると、男は後ろのスーツ姿の男を振り返る。
「…ダンナ、どうなんです?」
スーツ姿の男は、静かに頷く。
「間違いない。奥様が言っておられた通りの少年だ」
スーツ姿の男はヤクザ者のように荒々しくはないが、暁を見る眼がひどく冷たい。
「じゃあ、遠慮なく。…おい!お前!こっちにきな」
見るからに悪党の男の傍に行けるわけがない。
暁は必死で首を振った。
ヤクザ者は
「お前、母ちゃんを亡くしたんだろう?これからどうするんだ?一人で生きて行けるわけ、ねえだろう?…おれがいい働き口を紹介してやるよ。安心しな。給金たっぷり、仕事は楽チン!食事は美味いし、寝るところはふかふかだ」
と嗤う。
…そんな夢みたいな職場があるはずがない。
世間知らずな暁でもそれくらいは分かる。
…絶対にこの男に着いていっては、だめだ。
暁は本能的に察知して、部屋の奥に逃げ込む。
ヤクザ者は小動物を追い込んで捕獲を楽しむ猟師のようにじわじわと暁に近づく。
「…本当だよ、こっちに来な。お前みたいにツラが綺麗で華奢な子供にぴったりな仕事があるんだよ」
押入れの前まで追い詰められ、ヤクザ者は荒々しく暁の顎を掴んだ。
ヤクザ者の目が暁をまじまじと見つめ、嫌らしく輝く。
「へえ…こりゃ上玉だ!ダンナ、優良物件をご紹介いただいて感謝しますよ」
ヤクザ者に声をかけられ、スーツ姿の男は面倒くさそうに首を振る。
「御託はいいから早く連れ出せ。騒がれたら困る。面倒はごめんだ」
…何の話をしているのか、皆目見当がつかない。
暁はヤクザ者の手から逃れようと身を捩る。
「おとなしくしな!お前はこれから身売りされるんだ。早いとこ観念した方が身の為だぜ?」
「み、身売り⁈」
男の僕がなぜ⁈
それよりなぜそんな目に遭わなくてはならないのか?
暁の心の内を察知したのか、スーツ姿の男が冷たく言い放つ。
「縣の奥様のご命令だ。…悪く思うなよ。こちらは仕事でね」
…縣の?
暁の目が見開かれる。
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