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暁の星と月
第1章 暗闇の中の光

「…おいで、暁君」
礼也の穏やかな声に誘われるように、暁は自分の手を礼也のそれにおずおずと重ねた。
礼也の手は大きく、温かかった。
暁の冷たく小さな手を包み込むように握りしめると、そのまま逞しいスーツの胸に閉じ込めるように引き寄せ、抱き上げた。
立ち上がった礼也の背はとても高く、暁の視線はぐんと上がる。礼也の胸元からはとても良い薫りがした。
礼也は軽々と暁を抱き上げ、目の前で慌てふためくスーツの男に厳しい声を放った。
「母の差し金だな?柴田」
「…そ、それは…」
「私の部下がお前が妙な動きをしていると不審に思い、内密に調べて注進してくれたのだ。…まさかお前が母の手先になりこんな仕事までしていたとは…」
「れ、礼也様…!」
「お前は母付きのボディガードだ。お前がどんな仕事を請け負おうと私には関係ない。だが …」
礼也は腕の中の暁をぎゅっと抱きしめ、力強く言い放つ。
「この子は…暁は私の弟だ。今後一切、この子に手出しすることは私が許さない!もし手出しをしたら、それは私に仇を成したと見なす。いいな!」
スーツの男、柴田は目を見張り、顔を強張らせる。
「…母には私から話す。お前達はさっさとここから出てゆけ!」
柴田は、目を伏せると礼也に一礼し、鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしたヤクザ者を促すとあっと言う間に立ち去った。
二人がいなくなったのを確認すると、礼也は改めて暁を見つめる。そして、痛ましいような苦しいような表情をした。
「…暁君…いや、暁。君は私の弟なのだ。君はかつて、我が屋敷に勤めていたメイド、ゆきのさんと父親との間に生まれた子供なんだ。…だが私は今日までそれを知らなかった。本当にすまなかったね…」
暁は驚きの余り声が出なかった。
…この、目の前にいる見たこともないような美しい男の人が、僕の兄…?
あり得ない。
また僕は騙されようとしているのか?
暁の警戒心が伝わったのか、礼也は噛んで含めるように優しく語りかける。
「…君は私の弟なんだ。腹違いの弟…。君が生まれていたことをずっと知らずにいた。…君が苦しい生活を強いられていたことも。すまなかった…」
そして、礼也は強く暁を抱き締め、髪を撫でる。
…この人が…僕の…兄さん…?
この…立派で美しくて、優しい人が…僕の兄さん…。
夢なら…夢なら覚めないでほしい。
暁は礼也の胸に抱かれながら祈るような気持ちでいた。
礼也の穏やかな声に誘われるように、暁は自分の手を礼也のそれにおずおずと重ねた。
礼也の手は大きく、温かかった。
暁の冷たく小さな手を包み込むように握りしめると、そのまま逞しいスーツの胸に閉じ込めるように引き寄せ、抱き上げた。
立ち上がった礼也の背はとても高く、暁の視線はぐんと上がる。礼也の胸元からはとても良い薫りがした。
礼也は軽々と暁を抱き上げ、目の前で慌てふためくスーツの男に厳しい声を放った。
「母の差し金だな?柴田」
「…そ、それは…」
「私の部下がお前が妙な動きをしていると不審に思い、内密に調べて注進してくれたのだ。…まさかお前が母の手先になりこんな仕事までしていたとは…」
「れ、礼也様…!」
「お前は母付きのボディガードだ。お前がどんな仕事を請け負おうと私には関係ない。だが …」
礼也は腕の中の暁をぎゅっと抱きしめ、力強く言い放つ。
「この子は…暁は私の弟だ。今後一切、この子に手出しすることは私が許さない!もし手出しをしたら、それは私に仇を成したと見なす。いいな!」
スーツの男、柴田は目を見張り、顔を強張らせる。
「…母には私から話す。お前達はさっさとここから出てゆけ!」
柴田は、目を伏せると礼也に一礼し、鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしたヤクザ者を促すとあっと言う間に立ち去った。
二人がいなくなったのを確認すると、礼也は改めて暁を見つめる。そして、痛ましいような苦しいような表情をした。
「…暁君…いや、暁。君は私の弟なのだ。君はかつて、我が屋敷に勤めていたメイド、ゆきのさんと父親との間に生まれた子供なんだ。…だが私は今日までそれを知らなかった。本当にすまなかったね…」
暁は驚きの余り声が出なかった。
…この、目の前にいる見たこともないような美しい男の人が、僕の兄…?
あり得ない。
また僕は騙されようとしているのか?
暁の警戒心が伝わったのか、礼也は噛んで含めるように優しく語りかける。
「…君は私の弟なんだ。腹違いの弟…。君が生まれていたことをずっと知らずにいた。…君が苦しい生活を強いられていたことも。すまなかった…」
そして、礼也は強く暁を抱き締め、髪を撫でる。
…この人が…僕の…兄さん…?
この…立派で美しくて、優しい人が…僕の兄さん…。
夢なら…夢なら覚めないでほしい。
暁は礼也の胸に抱かれながら祈るような気持ちでいた。

