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枯れた花に愛をください
第1章 ~不運な私~
もう終わりがかっている生活だと思っていた…ーー
終わりに近い生活とでも言おうか、まるで水をあたえられず枯れ落ちるのを待つ花のような生活だ。

私は、佐本影子。28歳。三年前に結婚したけれど、旦那とは冷めきった関係なのに世間体のため仮面夫婦を続けている。
五歳年上の旦那は大手企業の管理職。どうやら社内では「仕事の出来る優しい上司」として通っているみたいだけど、結婚して半年した頃から女の香水をぷんぷんさせて帰ってきた。
その日、毎朝家を出るときに何時に帰るよと言ってくれていた旦那が「今日は仕事で遅くなる」とだけ言って家を出ていったことが頭の隅で引っ掛かっていた。

案の定その日の夜、香水にまみれた旦那は日付が変わった頃に帰ってきた。
いつも早く帰って来てくれていた優しい旦那の様子が可笑しいことに私は直ぐに気づいた。
香水について問いただすと「付き合いでキャバクラに行ってきただけだよ」と素っ気なく答え、疲れたから寝ると先に寝てしまった。
玄関や廊下、旦那の脱ぎ捨てたスーツからはむせ返しそうな程に甘い香水が漂っていたことを今でも覚えている。もう今では香水の匂いも麻痺して、何にも感じなくなってしまったけれど。
そんな夜を境に、旦那は毎夜例の香水をつけて帰ってきては「疲れたから寝る」と言って先に寝てしまうことが多くなっていった。
…ーそして今では、月に一度帰ってくるか、どうか。
この前街中で仲良さげに一緒に歩いていた女の人が、浮気相手なのだろうけど、旦那の給料を当てにして生活をしてきた私には到底殴り込む勇気もなかった。
旦那は私に月一度、十分すぎる生活費を送ってくるだけ。
たまに帰ってきたと思えば、夫婦同席の会社の集まりがあるから一緒に出てくれと平然と頼みに来る。
…ー私は、もう限界だった。
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