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第22章 日本ー仮拠点完成

「時期尚早、そう思っているのは事実です。まだ絶対要素が足りなく、お試し調教だけでも足が付いてしまう可能性は高い。
それと香港は……私個人の問題に近いです。美波や宮野達を、これ以上巻き込みたくは無いんですよ」
「それ、美波が納得するかなぁ？」
「……それは」

時期尚早は俺だって分かる。俺だけじゃない、美波も本郷さんも分かってる筈なんだ。たださ、こうして拠点を構えたら、前のように調教をやりたい気持ちも分かるんだよ。
更に言えば、香港は仁科個人の問題ってやつ。美波は絶対に納得しない、離されるより巻き込まれる方を選ぶ。だってそれが美波だろ？

「美波とずっと一緒だったのは仁科じゃん。
美波がさ、変わらない仁科を見て何か言った？俺は言わないと思う、受け止める方を選ぶんじゃね？」
「確かに宮野の言う通りです。美波は……何も言いません、ドイツに行った事も、日本に足掛かりの為に来る事も、受け止める方を選んでいます。
……だからこそ、一番悩ませた香港の事は私が解決したかった、余計な事に美波を巻き込みたくは無かったんですよ」
「それが仁科の本音？」
「えぇ、宮野に嘘は吐きません」

そっか、仁科は仁科で悩んでいたんだ、巻き込んでしまったって。
だからネガティブ発言。
けどさ、仁科が居なかったら、俺も本郷さんも美波も、此処まで来れなかった訳で、仁科が抱え込む事じゃないと思うのは俺だけ？

「巻き込まれ上等じゃん！
好きで巻き込まれているんだしさー、もう少し美波や俺達を信用して欲しいなー
……仁科が嫌って言っても、トコトン付き合うんじゃね？仲間だしさ」