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契約的束縛・誘惑なる秘密
第22章 日本ー仮拠点完成

こう仁科に言ったけど、全員で話直した方が良いって。俺だけじゃ口が上手い仁科には敵わないし、俺の意見が全て正しいなんて思ってもいない。
仁科の意見が全て正しいとも思っていないけど。

「なぁ仁科、もう一度みんなで話合おうよ。
美波だって、本郷さんだって、ちゃんと気付いているって。だからさ」
「それが必要なんですかね。
美波にと言ったのに、私の独断先行……焦っているんでしょうか私は……」

そう言って、仁科は近くにある椅子に座っちまった。
どうして焦る仁科?
みんな揃ったのに焦る事ないじゃん!

「……仁科?」
「美波には多少話をしましたが、少しでも長く……此が私の焦る原因なんでしょう。
置いて逝かれると分かっていても、宮野達と一緒に居たい私の思い。だからこそ邪魔な死の天使やツインドラゴンを、さっさと始末してしまいたい。……日本で本格的に活動出来るようにです」
「……それは」

俺は、俺と本郷さんは、ドイツでルークから聞いた筈、仁科は1000年以上生きているって、普通の人間と寿命が違うって。
それが仁科が焦る理由、『みんなと一緒に居たいから』、仁科らしくないようで仁科らしい理由……だったんだ。

「ゴメン。俺、言い過ぎた」
「いぇ、はっきり言わなかった私も悪いですので……おあいこですかね?」
「おあいこってなぁー」
「美波達が帰って来たら、もう一度話し合いましょう宮野。拠点はあるんですから、この先をどうするのかを」

仁科が折れてくれた、みんなと話し合うって。
俺もその方が良いと思う、はっきりさせようよ、此からの事をさ。
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